コミケットスペシャル6 OTAKU SUMMIT 2015 アフターレポート


会場
幕張メッセ ホール 1〜5
会期
2015年3月28日(土)〜29日(日)
サークル数
参加サークル数 5,200
入場者数
  • 28日(土) 2万5千人
  • 29日(日) 2万5千人
コスプレイヤー
  • 28日(土) 837人
  • 29日(日) 1754人
当日販売物
販売を参照してください。

序文

次のコミケットスペシャルでは何をしよう――2010年3月の「コみケッとスペシャル5 in 水戸」が終わった次の日、いやその瞬間からテーマ探しが始まりました。

……という書き出しは前回のアフターレポートそのままなのですが、今回のテーマ決定に際し、あまり迷いはありませんでした。記憶に新しい方も多いと思いますが、コミケットは2012年12月のコミケット83において、『黒子のバスケ』サークルの参加見合わせと関連作品の頒布自粛をお願いせざるを得ませんでした。当時、2012年10月に上智大学に置かれた脅迫状に端を発した連続的な脅迫行為により、多くのオンリー同人誌即売会が中止に追い込まれました。コミケットも警察・会場から強い要請を受け、会場からは今後の会場利用の調整が非常に厳しくなる可能性を示唆されるに至ったため、この決断をせざるを得ませんでした。表現を守り切ることができなかったこの出来事は、コミケットの参加者全員にとって、痛恨の出来事として心に強く刻まれていると思います。

この事件を踏まえ、翌年2013年8月発行の『コミケットマニュアル』において、コミケットはその理念を大幅に改定します。これは、コミケット創立からの理念の根本精神を引き継ぎつつも、コミケットという場の存在目的と、その場を恒久的に継続していくための基本方針について、新しい言葉で参加者のみなさんと確認したものです。

新しい理念の冒頭において、コミケットは自らの存在目的を「同人誌を中心としてすべての表現者を受け入れ、継続する」と定めています。『黒子のバスケ』事件のような出来事を繰り返さずこれを実現していくために、我々は「価値を認めてくれる仲間や味方を増やす」ことが重要だと考えました。

これまでもコミケットは、企業ブースやマスコミの受け入れ、アカデミアと連携したシンポジウムや調査等を通じ、コミケットという場の存在目的を理解してもらい、社会的な価値を認知してもらうために努力を続けてきました。場の継続にとって重要な「会場の確保」ということを考えたとき、最も強い味方の一つは公―官公庁や地方公共団体です。5年前のスペシャルでは「まちおこし」をテーマに、水戸市役所の若手有志の方々と様々な取り組みを行い、大きな注目を集めました。水戸市長がお忍びで来訪されるといったサプライズはありましたが、地方公共団体とのオフィシャルな連携というわけではありませんでした。

やはりコミケットが官公庁や地方公共団体と公式にタッグを組むことは難しいのか――このハードルを超えるヒントとして、海外参加者の急激な増加には以前から注目してきました。海外参加者が参加しやすい環境を作ることで、ポップカルチャーの輸出促進や外国人観光客の増加を戦略とする官公庁や地方公共団体に仲間・味方になってもらう……というシナリオです。とはいうものの、海外という壮大なテーマに対し、外国語が堪能な準備会スタッフも限られており、なかなか第一歩を踏み出せませんでした。

このような状況において、我々の背中を押したのは、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定の吉報でした。日本中が56年ぶりの東京オリンピック・パラリンピックに沸き立つ2013年9月、最終プレゼンテーションでの「お・も・て・な・し」にインスパイアされたわけではないですが、「海外のOTAKUイベント団体に出展してもらう」「海外からのサークル参加申込を受け入れる」という基本方針で腹を括り、テーマを「OTAKU SUMMIT 2015」と定めました。その後、12月のコミケット85の一日目にこのテーマを発表し、一年を超える長い航海が始まりました。

会場を幕張とした理由については、みなさんのご想像通りです。東京ビッグサイトは2020年東京オリンピック・パラリンピックでプレスセンターとして使用される予定です。コミケットは沖縄や水戸で開催した過去のスペシャル以外、約20年間にわたり東京ビッグサイト以外の会場を経験していません。2020年に東京ビッグサイトが使用できない場合に備え、一つの有力な候補地である幕張を実際に使用し、課題を洗い出しておこうという意図も正直ありました(とはいえ、仮に夏冬のコミケットを幕張メッセで開催する場合、一般待機列の作成場所などを中心に、乗り越えるべきハードルは多そうです)。

当日の中身については、次ページ以降で各企画担当者からレポートがありますので、この序文では、今回のスペシャルの成果ともいえる、海外・国内イベントによる共同宣言―「オタク新世紀宣言(Declaration of the New Otaku Century)」についてお話しします。ご存じの方もいると思いますが、この元ネタは1981年2月22日に行われた『機動戦士ガンダム』のイベント「アニメ新世紀宣言」です。このイベントでは10,000人以上のファンが新宿駅前に集い、ファン代表の2人が同宣言を読み上げました。この宣言の冒頭の一文、

"私たちは、私たちの時代のアニメをはじめて手にする。「機動戦士ガンダム」は受け手と送り手を超えて生み出されたニュータイプ・アニメである"

は新世代のアニメが、クリエイターと視聴者がその境界を超えた「ファン」として、共に作品世界を作り上げていくこと―「ファンの時代」到来を宣言したものだと考えています。子供向けの娯楽だと捉えられがちだったアニメが作品として取り扱われるようになったことを象徴する、一つのエポックであったといえるでしょう。

ファンによる場―同人誌即売会を初めとするOTAKUイベントにおいても、創り手と受け手はファンとしての作品愛を持ち、時に立場を入れ換えながらつながり合い、その限りない想像力で作品世界を拡げていきます。2015年3月29日、公式キャラクターの2人が読み上げた「オタク新世紀宣言」はコミケットスペシャル6〜OTAKU SUMMIT 2015〜のフィナーレであると同時に、「OTAKUの時代」の幕開けを宣言するものです。

たとえ、住んでいる国や好きなものが違っても「OTAKU」というキーワードで一体感を持てること、そこに居場所を見出せること―それがオタク新世紀宣言、いや今回のスペシャルが作り出した、新たな時代のイリュージョンなのかもしれません。

OTAKU SUMMIT ロゴ

即売会エリア

会場の様子(1日目)

コミケットスペシャル6は、幕張メッセという25年振りの不慣れな会場ということもあって、入場や放送などで様々なトラブルが発生してしまいました。ご迷惑をおかけしてすみませんでした。 ただ開会後は、多くの参加者が同人誌即売会を楽しむいつも通りの光景が見られ、幸いでした。 配置ジャンルが主に男性向けということもあり、開会直後から大きな列がいくつも出来ていました。「記念本」が多かったのも印象的でした。

会場の様子(2日目)

初日の反省を踏まえ、入場をスムーズに行うことができました。赤ブーブー通信社・スタジオYOUの協力を得て、コミケットとしては初めてのオンリーイベントである「黒子のバスケオンリー即売会 くろケット」も併催し、普段のコミケットと違った雰囲気もありました。 主に女性向けサークルが多く配置されており、初日と同様に肌寒い会場を「熱く」させていました。 滞り無く、無事開催をすることができたと安堵した閉会間近になって、急遽雨が降り出し、宅配便の荷受け所を移動せざるをえなくなるなど、最後まで意外性に富んだ「イベント」に事欠かないスペシャルでした。

国外サークル

今回の開催のテーマが「OTAKU SUMMIT」ということもあり、海外からも多数のサークルが参加しました。事前事務の段階における参加案内の連絡や、サークル受付の手順など、慣れない作業で対応に時間かかってしまった部分もありましたが、当日皆さんが笑顔で参加しているところをみて、コミケットの新たな表現の可能性に気づかされました。また、国境の垣根を越えて、参加者同士が積極的に交流する「OTAKU SUMMIT」らしい光景も随所に見られました。

コスプレエリア

近年、普段のコミケットでもコスプレ参加者が増加しています。前回のコミケット87では、のべ27,000人という過去最高のコスプレ登録がありました。特に外国人のコスプレ参加者が目立っています。OTAKU文化が世界に浸透している一例と言えるでしょう。 コミケットスペシャル6では、のべ2,504人のコスプレイヤーが参加し、「OTAKU SUMMIT」というテーマも相まって、普段のコミケット以上に外国人コスプレイヤーが積極的に参加されていたように感じられました。

コスプレエリアは開会と同時にやすらぎのモールを、混雑解消後は南広場と屋外展示場を順次展開しましたが、やすらぎのモール、南広場を展開した時点では、サークル待機列が残っていたため、コスプレエリアとして十分なスペースを確保することが難しく、コスプレ参加者の皆さんには窮屈な思いをさせてしまったかもしれません。 屋外展示場のコスプレエリアはメイン会場から一番遠いこともあり、参加者の皆さんの出入りが少なかったようですが、ゆったりと交流を楽しむ様子や集中して撮影に取り組む姿が印象的でした。 コミケットスペシャル6では、普段の「コスプレ登録証」と違い、缶バッジを作製しました。初日、2日目共に違うデザインのバッジを作製しましたが、利用された皆さんの感想等ありましたら、ぜひアンケートへのコメントや更衣室・コスプレエリアの準備会スタッフにお声がけ下さい。今後のコスプレ運用の参考にしていきたいと思います。 今回の経験を糧にして、普段のコミケットでも、コスプレ参加者の皆さんが楽しめる「場」、「時間」を増やしていけるようにしたいと思います。

新涼れい (PAw Laboratory.)

企画サークル

コミケットスペシャル6では普段のコミケットではできないことを行う企画サークルが募集されました。いくつかの企画サークルを紹介します。

縁日

「OTAKU SUMMIT」というテーマに合わせ、多くの海外参加者に日本の祭りを感じていただくためにスタッフの有志によって企画された「縁日」。ハレの日にはなくてはならないと考えた企画スタッフは準備に奔走しました。焼きそば、甘酒等、その他食品を扱うための申請や設備の調達、設営も専門的な作業以外はスタッフで行っていました。資格がないとクリアできない事を解決しようと奮闘もしました(実際乗り越えることができました)。 また、オリジナルペーパーナプキンを作成し、OTAKUによる縁日を演出しました。会期中は国内外の参加者が縁日に訪れ、イベントを楽しんでいました。

リアル謎解き企画

脱出ゲームがここ数年人気を博していることもあり、スペシャルでも初めて脱出ゲームが企画されました。一つはサークル参加者視点での「終わらないサークル受付からの脱出」、もう一つはスタッフ参加者視点の「終わらないスタッフ業務からの脱出」です。 双方の企画共に、コミケットスペシャル全体を楽しんでもらいたいという想いで企画したので、会場内をくまなく歩かないと謎が解けないように作られていました。実際、参加者が謎解きしながら会場の端から端までコミケットスペシャルを楽しんでいる姿が見られました。時間的な制約は少なく、2 日間かけて脱出すればよかったこともあるので、マイペースで回られていた参加者も多かったと思います。

鈴木心写真館

参加者視点のコミケットを記録することを目的に、コミケットスペシャル6で鈴木心さんプロデュースの「鈴木心写真館@コミケットスペシャル6」が行われました。コミケット87ではプレ企画として1日限定の開催でした。その時に写真を見て「自分も映ってみたい」と思った方が多かったようです。プロの写真家がプロの機材でガチの撮影をしてくれる貴重な機会に多くの参加者が集まり終始賑わっていました。 写真館は開会前からスタートし、開会前まではスタッフや開会準備の終わったサークル、開会後からは一般参加者がメインに来館していました。隣のブースが西洋甲冑の企画サークルだったこともあり、最終日閉会前は、甲冑を装備した人の撮影が連なり、なかなか壮観でした。想定より多くの希望もあり、鈴木心さんも休み時間をギリギリまで減らして撮影を続けていました。印画紙等が不足するアクシデントもありましたが、430名の方々に鈴木心さんが考える「本物の写真」を体感していただけたと思います。

痛バイク展示

通常のコミケットではできない事をやるというのがスペシャルの醍醐味ですから、サークルの意気込みは並々ならぬものでした。今回の痛バイクの展示は通常では行えない表現を行った企画の一つです。 実際にアマチュアレースに参加している映像を再生し、実車の展示をするだけでなく、痛バイクをテーマにした同人誌の頒布もありました。 バイクパーツであるスプロケット(後輪のギア)の平面にキャラクターを 3D 熱転写プリントをしている作品も展示しており、先端技術を駆使した表現を垣間見ることができ、同人文化の新たな可能性を感じました。

販売

トートバッグ

10年前のコミケットスペシャル4で販売され再販の声の多かった公式トートバッグ。どんなに本を詰めても壊れない「底が抜ける前に肩が抜ける」と愛用者に言わしめるほどの丈夫な作りだったトートバッグを今回は2色販売いたしましたが、黒がアッと言う間に完売。白も女性を中心に注目を集め、コミケットスペシャルで人気の商品でした。

ピンバッジ

ピンバッジセットは「ロゴのグッズを作りたい!」と「公式キャラのグッズを作りたい!」というスタッフの熱い意見から企画が進み、大きめのロゴと季節に合わせた桜デザイン、Dr.モロー氏デザインの2頭身キャラを使用したピンバッジとなりました。このちょっとかわいくないキャラがこだわりです。 購入された方から「想像以上に出来がいい!」と感想をいただきとても嬉しかったです。

カタログ

コミケットスペシャル6は通常のコミケットでは行われていない「カタログ全員購入制」が採られました。 スタッフとしても慣れない会場での慣れない業務でドキドキでしたが、ふたを開けてみれば、よく訓練されたコミケット参加者の皆さんの協力で事故なく運営を行うことができました。事前に購入していた方も多く、当日もスムーズな購入、入場にご協力いただき大変助かりました。ありがとうございました。

萌酒サミット&萌えおこし物産/会場からニコ生!!

萌酒サミットスペシャル

近年OTAKU文化の一つである「萌え絵」とコラボしたご当地商品が各地で増えています。コミケットスペシャル6では、OTAKU SUMMITにあわせて世界だけでなく日本各地でのOTAKU文化の広がりを紹介し、ご当地商品を販売するコーナーを設けました。 その中で、ご当地の酒蔵とのコラボされた「萌酒」に注目し、コミケットスペシャル6では、これらの酒蔵をまとめたイベントである「萌酒サミット」さんに出展いただき、「萌酒サミットスペシャル」として販売コーナーが設けられました。日本酒を始めとして、ワインやリキュール、シードルなど多種多彩の萌酒を買うことができ、中夜祭などでも多くの方に飲んでいただき、盛り上がりました。

萌えおこし物産コーナー

OTAKU EXPOに出展できなかった団体など向けの「萌えおこし物産コーナー」では、南は沖縄、北は秋田などの地元で販売しているお米やお菓子なども販売され、普段はご当地まで行かないと入手できない商品が購入できるとあって、盛り上がりました。

「コミケットSP会場から生中継」 〜ニコニコ生放送〜

5年前の「コみケッとスペシャル5 in 水戸」の時と大きく変わった点として、動画や生放送メディアの利用をした告知プロモーションの展開を行ないました。スマホの普及などにより動画サイトを視聴する人が増加していた点やサークル参加者にも動画配信で有名になった方などもいることから、新たな媒体を利用してコミケットをアピールする試みを今回実施しました。 コミケット87設営日にコミケットが初の公式ニコニコ生放送でコミケットスペシャル6の告知を行ったり、当日にはドワンゴさんの公式生放送として、コミケットスペシャル6開会時の生中継などが行われ、会場に来る方へのアピール、また会場に来られない方への雰囲気の共有などが行われました。生放送中に行われたアンケートでも、コミケットを知らない・来た事がない層の視聴者が多かったのは印象的でした。

常設ステージ

CureCosplayCollection @ OTAKU SUMMIT 2015、世界コスプレサミット日本代表選考会 コミケ予選

コスプレイヤーによるパフォーマンスステージが、両日に渡って行われました。 初日は、コスプレコミュニティサイト「コスプレCure」による、「Cure Cosplay Collection @ OTAKU SUMMIT 2015」が開催されました。 リハーサルのために会場内をコスプレイヤーが移動した際は、まるでパレードでも始まったかのような華やかさがありました。また、ステージ上には総勢45名の国内外コスプレイヤーによるワールドワイドなコスプレの世界が展開!次々に登場するコスプレイヤーへの声援と撮影フラッシュで、ステージと観客席が一体となった熱いステージでした。 そして2日目には、「世界コスプレサミット」と「コミケット」のコラボで実現した日本代表を決定する国内予選第一弾「世界コスプレサミット日本代表選考会 コミケ予選」が開催! コスプレパフォーマンスを競技として競い合う真剣勝負のステージです。日本代表最終選考会行きの切符をかけ、2人1組の4チームが完全手作りの衣装を纏いパフォーマンスを競いました。2分30秒という短い時間の中に、それぞれのチームがコスプレと作品への想いを込めた熱いパフォーマンスに、観客が引き込まれる素晴らしいステージでした。 2つのイベントには大掛かりなステージ上でのコスプレパフォーマンスを披露してもらいました。「普段のコミケットではできない企画をスペシャルで!」というコミケットスペシャルならでは!のステージでした。晴海世代には懐かしい「花いちもんめ」の復活もあり得るかも知れませんね。

SP救五〜有志メンバーによるチャリティーライブ〜

「5年に一度のお祭りだからとことん遊ぼう!」を合言葉のもと、コミケットスペシャル6救五班(救護班)スタッフ有志でアイドルライブを企画しました。しかし、ただ遊ぶだけでは勿体無いという想いもあり、千葉県赤十字血液センターの献血協力の呼びかけも行いました(救護のスタッフとしての本分も忘れていません)。 ナース兼地下アイドル“しょこたん(永遠の14歳)”、Dr. ひろみっくプロデュースの魔法少女アイドル“木ノ下ゆりちゃん”、外QのDJFunammyの“ANGLE45°”、司会に音響制作集団colorfulmix柿本光先生というメンバーが集まりました。また当日のイベント成功に向けて、救五班が一丸となって準備をしました。 当日は救五班お手製のタオルやペンライト、クリアファイルを(半ば押し付けるように!?)頒布。会場は異様な熱気に包まれながら、多くの参加者やスタッフが一緒に楽しんでいました。 今回の開催にあたり、参加していただいた皆様、そしてご支援いただいた千葉県血液センターさん、会場を盛り上げていただきありがとうございました。 救護班は「真面目」なイメージを持たれがちですが、業務を行うときはもちろん、遊ぶときも全力です。コミケットスペシャル6での救護班の「粋」を知っていただく契機になったと思います。

OTAKU SUMMIT SPECIAL LIVE

コミケットスペシャルに欠かせないものといえば中夜祭。今回のコミケットスペシャル6〜OTAKU SUMMIT 2015〜でも1日目の夜に開催しました。 その名も「OTAKU SUMMIT SPECIAL LIVE」。豪華アーティストの歌とパフォーマンスでOTAKU SUMMITの夜を彩りました。

まず最初に、1日目の無事終了とライブの開催を祝し、コミケット共同代表の市川孝一が挨拶をした後、海外のコスプレイヤーさんも一緒に登壇し、会場の皆さんと一緒に乾杯でスタートしました。

そしていよいよライブのステージへ−

トップバッターは飯田里穂さん、遠藤ゆりかさん、buzzGさん、そして、砂守岳央さんによるスペシャルユニット『魔法少女オーバーエイジズ』さん。バンドの生演奏に乗せて「All my bravery」「テクスト>>オーバー」「Reason of birth」の3曲で会場内は熱く盛り上がりました。また、トークパートではメンバーの皆さんがコミケットに参加した時の思い出を語ってくれました。

次は数々のアニメソングの作品を手がけた『畑 亜貴』さん。しっとりと「千本千女の刃毬唄」「どうしよう?」「図書館ロケット」の3曲を歌唱。海外のイベントに参加した際、日本語で合いの手を入れてくれている、という体験談も語ってくれました。

3組目は『上坂すみれ』さん。登場した瞬間、会場が一斉に赤いサイリウムで染まり、テンションMAXに。「来たれ!暁の同志」「閻魔大王に訊いてごらん」「七つの海よりキミの海」の3曲を美しくそしてアツく歌い上げました。最後は観客と一緒に「生産!団結!反抑圧!」とコールで締め!

続いては『少女病』さん。「瓦礫の終音」「Refulgence」「metaphor」と3曲、独自の世界観を披露。会場は『少女病』さんの物語に包まれました。実は『少女病』としてステージに立ったのが5年ぶりで、その間、感じたことを思い出し、また、新しい歴史の始まりになることを願いながら、エピソードを語ってくれました。

そして、ライブも後半戦。5組目は『angela』さん。圧倒的なパフォーマンスでアニメのオープニングテーマの「Shangri-La」「イグジスト」「シドニア」の3曲を熱唱。また、atsukoさんとKATSUさんの愉快なトークで、観客は沸き上がりました。

合間にはMCを務めた『櫻井孝昌』さんとLinQの『姫崎愛未』さんも舞台横で一緒になって楽しんでいた、とお話も飛び出ました。 そして最後には、ラスボス『小林幸子』さんの登場。圧倒的な歌唱力で「風といっしょに」「さちさちにしてあげる」「千本桜」の3曲を歌い、観客はしっとりと深みのある『小林幸子』さんの歌声に酔いしれていました。合間には先の夏コミに降臨した時の心温まるエピソードを話してくれました。

退場した後、アンコール!ラスボス!のコールで再び登場。衣装も変わり「さよならありがとう」を披露。ステージがせり上がり歌う姿はまさにラスボス。またいつかコミケに降臨したい、との心意気に会場からは大声援が。 ステージ上に全アーティストが揃い、ライブの感想を話す中、コミケットスペシャル6事務局長の岡安英俊が登壇。ファン同士で繋がることのできるコミケットを参加者全員で作っていきたいと意気込みを語りました。 そんな思いを叶えるよう、最後はアーティスト、観客の全員で「千本桜」の大合唱。まさにスペシャルに相応しい中夜祭のフィナーレ!OTAKU SUMMIT SPECAL LIVEに華々しい桜が咲いた瞬間でした。 コミケットでこのような大規模なライブを行うことは初の試みでしたが、観客席では海外からの参加者も一体になって盛り上がり、まさに世界中のOTAKUが音楽で繋がった最高の中夜祭になりました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。

くろケット

2日目に黒子のバスケオンリー同人誌即売会「くろケット」を開催いたしました。コミックマーケット準備会は赤ブーブー通信社・スタジオYOUの協力を得て、くろケット実行委員会として準備、運営に当たりました。 当初の募集数を大きく上回り、約2,400もの黒子のバスケサークルにお申込をいただき、開催ホールを拡大。普段のコミケットには無いチラシラリーやアンソロジーの発行、サークル参加者企画によるプチオンリーなどの企画が行われ、多数の方にご参加いただきました。場内BGMも黒バスの曲のみのまさに“黒バスオンリー”なイベントとなりました。 黒子のバスケ作中に出てくるハンバーガーショップにちなんで、ケータリングにはハンバーガー&バニラシェイクが登場! パッケージはイベント限定で作家さん書き下ろしのイラスト付! ポストカードのオマケも付きました。 主催3団体が開催する各イベントにて配布のチラシ(申込書)を集めた方へカレンダーをプレゼントする「チラシラリー」を行いました。チラシは全国のイベントで配布させていただきました。 イベント開催記念アンソロジー『KUROKET』を発行しました。総勢62名の執筆者による、なんと背幅が25.75mmの大変読み応えのある一冊となりました。

午後には赤ブーブー通信社vsスタジオYOUのフリースロー対決を実施! コミケットは共同代表の市川が審判を務めました。参加者も交えた白熱した試合はスタジオYOUが勝利! しかしラストのエクストラ直接対決(泣きの延長戦?)では赤ブーブー通信社が勝利しました。 上記以外にも、IDに記載されたQRコードを読み取って携帯壁紙をDLする企画を行いました。また、金沢印刷さんとコラボしたくろケット限定キャラ箱の作成、当日には金沢印刷社長にじゃんけんで買ったらキャラ箱がもらえるじゃんけん大会の飛び込み企画が行われました。 ご参加いただいた皆さまのお陰で終始賑やかな楽しいイベントとなりました。誠にありがとうございました。 くろケット当日の後も5月開催のSUPER COMIC CITY24で開催御礼のパネルの掲示をしました。こちらはコミケット88 でも掲示します。

OTAKU EXPO

コミケットスペシャル6〜OTAKU SUMMIT2015〜の特別企画として、国内外のOTAKUイベントの紹介や参加者間の交流、コミケットの歴史展示等をテーマとした「OTAKU EXPO」を開催しました。 コミケットスペシャル開催前日には、「OTAKU EXPO」に参加している国内外の団体を招いてラウンドテーブルを開催しました。 ラウンドテーブルは2部構成で開催し、第1部はコミックマーケット準備会より「OTAKU EXPO」のイベント内容、趣旨説明を行いました。その後、OTAKUイベントを取り巻く現状や課題、将来の協力体制の構築について議論し、最後は国内外のOTAKU文化を愛好する人々が連携し、OTAKU文化の発展を目指すことを唱えた『オタク新世紀宣言』(新世紀宣言全文を参照)の採択で終了しました。

第2部はIOEA設立準備室に議事を引き継ぎ、OTAKUイベント同士の国際的なネットワーク構築を目指す団体であるIOEA(International Otaku Expo Association)設立総会を実施しました。IOEAは国内外のイベントがOTAKU文化の普及と発展を目指す国際レベルの相互扶助的な組織として誕生しました。IOEAはいわば『オタク新世紀宣言』を行動に移したものとなります。 OTAKU文化はインターネットや物流機能の発達により、日本国内の枠を越えて、世界に広がっています。IOEAはOTAKU文化の普及のみならず、新たな表現領域の獲得できる可能性を世界の仲間たちと協力しあい、模索する国際的組織として運営されていくことになります。 ラウンドテーブルには国内に留まらず海外からも想定以上の参加希望があり、慣れない英語を使いつつも、スタッフ一丸となって事前準備をしたこともあって、今後の協力体制の基礎構築ができたと考えております。

ラウンドテーブル終了後は、ラウンドテーブル参加者に加え、OTAKU文化に理解のある方々を招待して、海外のOTAKUイベントの関係者の来日を歓迎するイベントを実施しました。 歓迎イベントでは、マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟より福田峰之衆議院議員、山田太郎参議院議員にご参加いただき、「OTAKU EXPO」開催のお祝いの言葉をいただきました。また、高市早苗総務大臣より祝電をいただきました。 歓迎イベントは終始、和やかな雰囲気の中、関係者の交流を深めることができたと思います。 翌日の「OTAKU EXPO」では、展示やパネルセッションなどを行いました。

「OTAKU EXPO」はWorld Events Exhibition、OTAKU JAPAN観光協会、コミケット40周年ブースの3つで構成されています。

オープニングセレモニー

「OTAKU EXPO」では、開催初日に開催を記念してオープニングセレモニーを執り行いました。来賓としてマンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟の赤池誠章参議院議員をお招きしました。 「OTAKU EXPO」実行委員会委員長安田かほるの挨拶に続き、赤池誠章参議院議員より「OTAKU EXPO」開催に対するお祝いの言葉をいただき、開会のファンファーレと共にテープカットを行いました。 また、World Events Exhibition海外参加団体のコスプレイヤーやOTAKU JAPAN観光協会参加のゆるキャラなども集まり、開幕に華を添えました。 夏と冬のコミックマーケットでは、会場アナウンスとともにイベントが開催されていましたが、「普段」ではできないことに挑戦するコミケットが行ったオープニングセレモニーには関係者のみならず、参加者の方に見守っていただき盛大に行なうことができたと感じています。

World Events Exhibition

World Events Exhibitionブースでは世界18カ国・地域、46団体が幕張メッセに一堂に会し、自身のイベントや自国のマンガ・アニメ・ゲーム文化を紹介するだけでなく、イベント同士のコミュニケーションやコミケットスペシャルの参加者と交流を深めていました。

海外団体からは日本の参加者と話すことができてよかったとお声をいただきました。また、OTAKU文化を愛好する世界のイベント団体と新たなネットワークを構築することができたという声をいただきました。

セミナーブースでは参加団体によるイベント紹介のセミナーやOTAKU文化に関する識者によるパネルセッションが開催されました。各回とも立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。セミナーやパネルセッションを通じて、世界に広がるOTAKU文化についての知識を世界の仲間とライブ感を持って共有する貴重な時間を過ごせたと思います。 また、特設ステージでは「OTAKU EXPO」スペシャルシンポジウム『俺たちのコミケがそんなに悪いイベントなわけがない〜「公」の中の人がコミケとファンイベントを語る〜』を開催し、熊谷俊人千葉市長をはじめとした公的立場で活動をされている方々にご登壇いただきました。 コミケットに代表される表現系ファンイベントは、多様な創作が公開される文化の場であり、才能の苗床やファンの動向を見る機会として産業面での基盤のひとつとなっています。 こうした表現系ファンイベントについて、地域社会、文化、産業等の分野を公的立場から支える方々に、それぞれの立場から語っていただき、今後のあるべき姿について闊達な議論が行われました。

OTAKU JAPAN 観光協会

OTAKU JAPAN観光協会ブースではOTAKU文化と繋がりを深くしている26の自治体や観光協会等が参加し、OTAKU文化とコラボレーションした商品の販売や各地の紹介を行いました。

OTAKU文化と自治体や観光協会とのコラボレーションは各地の観光誘致に繋がるだけでなく、各地の文化や歴史を知るきっかけを創出しています。ちなみに前回の「コみケッとスペシャル5 in 水戸」では、まちおこしをテーマに茨城県水戸市とタッグを組みました。今回の「OTAKU EXPO」ではさらに踏み込んで全国各地の自治体、観光協会に参加を呼びかけました。 結果、北は北海道から南は福岡まで、日本各地の団体が集まり、千葉に居ながら日本の“聖地”を巡礼しているかのようなブースとなりました。 最後に、「OTAKU EXPO」開催にあたって、OTAKU EXPO実行委員会(委員長:コミックマーケット準備会共同代表 安田かほる)を組織しました。また、今回の「OTAKU EXPO」の趣旨にご理解とご賛同をいただき、経済産業省、観光庁、千葉県、千葉市より後援をいただきました。

40周年ブース

マンガ表現の可能性を追求し、ファン同士がコミュニケーションするための「場」として1975年に始まった同人誌展示即売会「コミックマーケット」は、数多くの表現が生み出される場所として参加者に愛され、40周年を迎えることができました。 40年の歩みを「コミケット40周年ブース」として展示しました。 カタログ表紙・森林保護募金ポスター・企業ブースポスターの展示、コミケット67以降の10年間で発行したカタログの表紙・掲示した各種ポスターのすべてをA2サイズで展示しました。 それと併せてカタログ表紙について、発行が始まったコミケット21からコミケット66までのすべてのものをダイジェストで掲示したところ、思い出話に花を咲かせる参加者が多かったのは準備会としても非常に喜ばしいことでした。

コミケット年表

コミックマーケット公式Webでも年表を公開しておりますが、それに加えてコミックマーケット一桁台の貴重な資料・写真などを掲載、重要な出来事についてのコラムを付記するなど、コミックマーケット1から87まで、コミックマーケットの歩みがわかる年表を掲示しました。 コミケット40周年ブースの中でも特に多くの参加者を集めた展示のひとつです。

コミケットプレス20周年エリア

サークル参加者・一般参加者・コミックマーケット準備会のコミュニケーションの場として創刊されたミニ情報誌「コミケットプレス」の創刊20周年を記念して、ポスターの掲示や、バックナンバーの閲覧コーナーなどを設けました。

モザイクアート展示

同人誌・コスプレなど、コミケットに集まる表現を集めて、1枚の大きなモザイクアートを作りました。 離れて眺めると1枚の絵として見えますが、近づいて見るといろいろな表現の集合が一つの絵を形作っていることがわかる、ある種コミックマーケットを喩えたものができました。 ご協力くださった皆様、あらためてありがとうございました。

Comiket Photo Gallery

コミケット87およびコミケットスペシャル6において、写真館という企画でコミックマーケットに参加された写真家 鈴木心さんが切り取ったコミックマーケットの風景をダイナミックにお届けしました。

オタク新世紀宣言

OTAKU−近年、マンガ・アニメ・ゲームをはじめとするファン文化は日本を飛び出し、世界の愛好者を増やしてきました。オタクからOTAKUへ、世界中の仲間たちがOTAKU文化に触れ合うことができる未来を創ることを誓い、宣言した文章が「オタク新世紀宣言」です。本宣言はコミケットスペシャル6内で採択され、発表されました(全文はこちらを参照してください)。

コミケットスペシャル6 事務局長総括

コミケットスペシャル6 〜OTAKU SUMMIT 2015〜にご参加頂いたみなさん、本当にありがとうございました。幕張に世界のOTAKU が集った「ハレ」の二日間が、みなさんの心の中に楽しい思い出となって残っていれば、望外の喜びです。 今回のスペシャルのフィナーレとなる2日目閉会直前、公式キャラクターの2人が「オタク新世紀宣言」を読み上げました。一瞬の静寂の後、会場内を包んだ拍手によりこの宣言は受け入れられ、今回のスペシャルに向けた1年半にわたる準備は、ここに結実しました。

2012年12月のコミケット83、連続的な『黒子のバスケ』に対する脅迫事件を受けた、同ジャンルのサークルの参加見合わせと関連作品の頒布自粛は、準備会のスタッフ全員にとって痛恨の出来事でした。コミケットを包む喧噪の中で、静寂すら感じた東1ホールの光景は、スタッフの心に「どうすれば場を守れたのか?」という課題を突きつけました。 こうした課題を受けた狙いは、序文で申し上げた通りです。実際「オタク新世紀宣言」の精神を体現する「OTAKU EXPO」には経済産業省・観光庁・千葉県・千葉市より後援を頂き、開会式やシンポジウムには国会議員やOTAKU 文化発展に尽力されている有識者の方々にご登壇頂くことができました。こうした観点からは、今回の狙いは一定程度達成できたと考えています。

このオタク新世紀宣言には「オタクという言葉は、本日より新たな意味を与えられ、誇りを持って語られることになる」という一文があります。 一般的に「ファン」という言葉は、ジャンルや作品などを特定して、初めて意味を持ちます。一方でこの「オタク」という言葉は何かに熱中する人たちを広く指し、そこにはあらゆるファンが包摂されます。あらゆるファンが集うコミケット―この場を象徴する言葉のひとつが、オタクなのではないでしょうか。コミケットにおいて、私たちオタクは個人の欲望を追求しつつも、互いを尊重することで、そこには不思議な一体感が生まれます。 今回のスペシャルの会場も、幸せな一体感に包まれていました。このことが、たとえ国籍・言語などが違っても、人々をひとつにつなぐ「OTAKU」という言葉の新しい意味を示しているのだと思います。今後コミケットは、このOTAKUという言葉が持つ価値を広く伝え、場の継続に向けた基盤をより強固なものとしていくのでしょう。

少し話は変わりますが、なぜコミケットはスペシャルを開催するのでしょう。個人的には、コミケットにとってのスペシャルは“変化の種”なのだと思います。 準備会は年二回、50万人超が参加する超巨大イベントを開催するということにチューンナップされた、いわば「余分な筋肉が付いていない」集団です。しかし、コミケットは会場や法令などの外部環境の変化、流行やメディアといった表現自体の変化に合わせて適応しなければ「表現の可能性を追求する場」であり続けることはできません。準備会の適応力を高め、変化に向けたテストケースとなる―これがスペシャルの役割なのでしょう。もちろん、普段のコミケットでは物理的制約から難しい、文化祭的な企画をやりたい、というスタッフの欲求もありますが……。 私自身にとってスペシャルはこれが3 回目。24耐・水戸という各回には、それぞれ筆舌に尽くしがたい苦労がありましたが、本当に今回は大きなチャレンジでした。最終的には100以上になった企画の進捗管理、25年ぶりとなる幕張メッセの使い方の確認や導線計画、当初計画の3ホールが5ホールに拡大していった会場レイアウト、様々な企業との調整が必要なステージの企画運営、ウェブサイト等を通した対外的な情報発信、海外イベント団体とのコミュニケーション……挙げていけばキリがありません。

オタク新世紀宣言から一夜明けた3月30日、通常開催なら3日目となるその朝、日常に戻った自分は、仕事で地方に向かう新幹線に乗っていました。1年半の喧噪の日々が嘘のように、とても静かな朝でした。開催直前には、寝ている間に飛び込んできた百通単位のメールが、わずか数通だけ……初めて終了の実感が沸いたのは、メールボックスを開いたその瞬間だったような気がします。 世界中から幕張に集まってきたOTAKUたちも、それぞれの日常に帰っていきました。コミケットは彼らの目に、どう映ったのでしょうか。このスペシャルは『未知との遭遇』に過ぎません。これをただの記念碑にしないために、コミケットがこのつながりをどのように維持していくのか、オタク新世紀宣言の精神を受けて設立されたIOEAとの連携も含め、課題は山積みです。近い将来、このネットワークが発展し、コミケットの継続に寄与して初めて、今回のスペシャルが成功だったと振り返ることができるのでしょう。 大きなチャレンジを通じて新たな組織能力を身につけ、世界を巻き込むという空前絶後のテーマを完遂したいま、次回のスペシャルではどのような“無茶振り”があるのでしょうか。準備会スタッフ一同も楽しみにしていますが(みんな、違っていたらごめん)、今回ご参加いただいた皆さんにも、引き続きお付き合いいただければ幸いです。 参加していただいた全ての皆さん、そしてこのような貴重な機会を与えてくれた共同代表に感謝を表し、総括の結びとさせていただきます。

コミケットスペシャル6 〜OTAKU SUMMIT 2015〜
事務局長 岡安 英俊

  1. 我々は、マンガ、アニメ、ゲームを中心とするオタク文化の素晴らしさを伝え、地位を高め る活動を行っていく
  2. 我々は、協力して我々の愛する文化の普及、振興に努める。
  3. 我々は、お互いの問題に共同して取り組み、解決するよう努める。
  4. 世界の愛好者と連携し、協力していく。
  5. 我々は、世界の相互理解に貢献できるよう努力する。

Declaration of the New Otaku Century

In Japan, the use of the term otaku to describe enthusiasts of culture originating from Japan - not limited to just anime, manga, and games - is a recent development. There is no denying that the term is derogatory in origin and was directed at those who engaged in particular hobbies. We even used the word otaku ourselves in a self-deprecating manner.

But the body of work that otaku had come to love, one born out of a uniquely Japanese evolution, has gone on to win many devotees around the world. Furthermore, those around the world who have been exposed to these works have been instrumental in giving birth to new trends that paved the way for novel works to come about.

In regards to doujinshi (non-commercial, personal publishing) in particular, in which fans themselves author creative works, hundreds of thousands are being produced around the world every year, and it is clear that that it has become an important source of entertainment for people worldwide.

In other words, there are now many friends in countries around the world who love these works that Japan gave birth to and come together to share their enjoyment of them. All over the globe, organizations that are enthusiastic about Japanese manga, anime, games, and other forms of expressive culture have come into being, and numerous “spaces” have been created. Our love for these creative works binds us together, transcending the boundaries of language, race, and borders. This is proof that the hard work of the creators that we all hold in such esteem has been recognized.

With deep respect to all creative artists who give new stories to the world, we event organizers who treasure otaku culture have gathered here as individual otaku in order to support creators and countless creative works - with a focus on manga, anime, and games - out of a place of love for those works.

In order to support, promote, and enjoy these creative works that continue to develop day by day, we have exchanged a vow to strive to gather fellow otaku from around the world so that we may join together to become the driving force that will propel those works to even greater heights.

We believe that this vow will be the spark that will cause this body of work that is so enjoyed by its devotees, as well as the array of hobbies that fall under the “otaku” mantle, to earn even more acceptance from society.

From this day forward, the word otaku shall be given a new meaning and will be spoken with pride. Together, with our friends around the globe, we shall undertake the following:

  1. Together, we will communicate to others the wonders of otaku culture, which includes, but is not limited to, manga, anime and games, and work towards raising its status.
  2. Together, we will assist one another to spread and promote the culture we love.
  3. Together, we will jointly face the challenges we are confronted with and work towards overcoming them.
  4. Together, we will cooperate with enthusiasts around the world and provide them with assistance.
  5. Together, we will strive to contribute towards mutual understanding on a global level.

Guided by mutual respect and support, we hereby declare our intention to spread and support a new otaku culture that centers around manga, anime, and games.

March, 2015


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