コミックマーケット102アフターレポート


会場
東京国際展示場東京ビッグサイト
全館

会期
2023年8月12日(土)〜13日(日)

サークル数
参加サークル数 2万1千

入場者数
12日(土) 130,000人
13日(日) 130,000人

更衣室登録数
 男性女性
12日(土)1,340人2,390人
13日(日)1,287人2,003人

コミケット公式発行物
コミックマーケット102カタログ冊子版 表紙イラスト:とりヒコ
紙袋(大) イラスト:絶叫

出展企業数
135社


マスコミ取材
 コミックマーケット102取材申込一覧

(2023年8月23日データ部分公開)

 2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染症法上の5類感染症に位置づけられることになりました。これに伴い、政府・東京都・東京ビッグサイトの各指針は廃止となり、併せて、コミックマーケットもその一員であるDOUJIN JAPAN 2020が定めていた『新型コロナウイルス感染症( COVID-19 )流行下における同人誌即売会の開催ガイドライン』も、2023年5月7日をもって廃止されました。
 これにより、C102の開催においては、来場に関する制約が大きく緩和され、C101まで感染症対策として一律に実施されていた入場時の検温・消毒、来場者の連絡先の取得・人数制限はいずれも行わないこととしました。一方で、一般参加者の入場に伴う待機列スペースの制限等の会場内の安全確保を目的とした対策は継続し、いわゆる「入場フリー」は設けませんでした。C102では一般参加・サークル・その他を合わせて1日あたり十数万人の来場を想定し、1日あたりの総来場者数の上限は設けず、午後も継続的に一般参加者の入場を行い、その結果、1日当たり13万人、のべ26万人という多くの皆さんに集まっていただくことができました。


 前記各種ガイドラインの段階的な緩和に沿って、コミケットにおいても再開初回のC99の5万5000人に始まり、C100での8万5千人、C101の9万人と、開催回毎に1日当たりの来場者数を着実に増やしてきました。とはいえ、従来のチケット制で行ってきた「検温・消毒」「来場者確認」「リストバンドへの交換」は細かい時間毎の受付枠を伴い、参加者を増やしていくことになるC102においてそのまま実施するのは、かなり難しいと判断せざるを得ません。このため、まず、チケット制を抽選が伴う「アーリー入場」と形を変えて復活した「更衣室先行入場」(後述)に絞りました。それ以外の入場については、午前入場はリストバンド型参加証を事前に購入すれば誰でも入場できるようにし、午後入場のリストバンド型参加証は、事前に加えて当日も購入可能とし、価格もお求めやすいものとしました。このように「入場証券」を「チケット」と「リストバンド型参加証」に分けることで、1日当たり13万人の来場者にご参加いただくことができたと考えています。特に、午後からのたくさんの参加者の入場は、閉会時間まで継続した賑わいをもたらしました。サークルの皆さんは次回以降、撤収のタイミングや、頒布の部数・方法等の検討を是非お願いします。
 参加者増は国内に留まらず、コミケットを訪れる海外参加者も、外国人観光客数の拡大と軌を一にして、再び大きく増加しています。当日、準備会・国際部に問い合わせがあった海外参加者だけでも62の国と地域に及び、過去最高となりました。


 そんな状況で想定外だったのは、午後入場のリストバンド型参加証を当日買われる方々の多さでした。事前販売の売れ行きが想定を下回っていたため、公式X(旧Twitter)で繰り返し事前購入をお願いしたのですが、当日は午後入場そのものの行列よりもリストバンド型参加証の購入列が長くなり、時間によっては30分以上もお待たせする状況となってしまいました(2日目はさらにそこに激しい通り雨が……)。この夏は開催直前に台風接近の報もあり、事前にリストバンド型参加証を買う気持ちが挫かれてしまったこともあるとは思うのですが、当日の現場の改善だけでは対応に限界があるため、次回以降は事前価格と当日価格の差を付けることで、事前販売へ誘導することしました。ご理解ください。

 昨夏のC100でも、台風接近に伴って1日目の開場直後に豪雨に見舞われたわけですが、今夏は台風襲来の可能性が早くから予報されたこともあり、昨年以上に事前より多数のテレビ局からの問合せがありました。コミケを含め同じ週末に開催予定の大規模イベントは皆、イベントを取材に来るのか、台風に絡んだ画を撮りたいのか、正直よくわからない取材申請を少なからず受けたはずで、コミケットにも協力をためらうようなものがいくつかありました。通常の取材は、コミケを理解したうえで目的がはっきりしたものが大半なのですが……。いずれにせよ、公式の告知や発表はWebサイトやXにて行いますので、そちらでの確認をお願いします。


 幸いにも、台風の進路は大きく逸れたわけですが、それでも、2日目は朝から断続的に雨が降り続け、午後にはやや強い降雨もありました。参加者の皆さんの大半は、雨天対策をしっかりとされていたようですが、今後とも天候の急変に備え、充分な準備をして当日に臨んでください。


 そして、天候と言えば、今年も暑い暑い夏となりました。特に初日の気温は36℃まで上昇し、熱中症で救護室に運ばれた方も少なくありませんでした。幸いにも風が吹いていたこともあってか、重篤な状態になる方はおられませんでした。勿論これも、多くの参加者の皆さんが、熱中症ヘの自衛をしているからこその結果です。コミケ経験が長いベテラン参加者の皆さんは熱中症対策をしっかりされていることが多いのですが、体力があるはずの十代、二十代の方が熱中症で体調を崩すというのは、今夏も同様でした。海外参加者でも具合が悪くなる方も少なくなく、いずれも軽装で備えが足りなかったことが原因と思われます。新たにコミケ初心者が増えつつある状況も踏まえ、帽子はしっかりかぶる、黒い服は避ける、充分な睡眠を取る、朝食はしっかり食べる、水分・塩分を取る、といった基本的な自衛の呼びかけを、来夏に向けて繰り返し行っていく予定です。
 今回、猛暑対策を目的にビッグサイトサービスさんの運営による有料休憩室が、更衣室の南2ホール移動で空いたレセプションホールに設置され、空調のよく効いた絨毯敷きのスペースが大好評。こうした取り組みにより、厳しい環境下でもコミケット参加のハードルが少しでも下がればと考えていますが、この冬は会議棟の改修工事で同ホールは使用できず、残念ながら有料休憩室の設置は難しい状況です。

 感染症対策で、前述の通り一律の対応のお願いがなくなる一方、新型コロナウイルス感染症に関する感染時のリスクに変わりはないため、「適切なマスク着用の徹底」「こまめな手洗い・手指消毒」「3密(密接・密集・密閉)の回避」は、個人の判断で必要な感染防止策を講じていただくお願いをしました。こちらについては新型コロナウイルス感染症のみならず、季節性インフルエンザが、従来は流行していなかった春から夏の時期も流行している状況でもあり、C103においても引き続き同様の対応の注意喚起を行っていきます。



 C102より、a)1サークルで隣り合った2スペース(机1卓分)の申込、b) 1サークル(同一申込責任者)での1日1サークルまでの申込が新たにできるようになりました。2日間のサークルスペース数の合計は約2万1千。申込増への対策としては、東地区の机配置を見直しています。前回はあっという間に売り切れてしまった追加イスですが、C102では大幅に数を準備し、9時過ぎまでは提供することができたものの、希望する全てのサークルさんには行き渡らなかったことは大変申し訳なく思っています。サークルさんにゆっくり来てもらえるようにタイムテーブルを見直しているにも係わらず、先着順をお願いしているわけで、些か矛盾しているのは承知していますが、今のやり方ではこれ以上は難しく、別の方策がないかと検討しているところです。
 1日目は、マンガ・アニメ・ゲーム系のパロディジャンルが中心。引き続き、 VTuber 系やソーシャルゲーム、特に 『ブルーアーカイブ』『原神』は、多くの参加者で混雑していました。2日目は、創作・ゲーム・デジタル・コスプレ等が配置され、中でも創作ジャンルが賑わいを見せていました。


 企業ブースは、感染症対策に使用していた場所が空いたこともあり、西3・4、南3・4ホールを使用しました。コロナ禍後の出展社数は着実に戻りつつあることもあって、広くなっても賑わいがあり、特に1日目は閉会時まで多くの参加者が残っている状況でした。出展社の傾向としては、企業ブースもVTuber系が多く活気があった他、pixivさんが企業ブース内に無料休憩場所を設けたことも、参加者の皆さんに好評でした。また、前回は電子書籍版のみでの復活となった企業ブースパンフレットは、C102より冊子版の配布を再開しました。


 更衣室も同様に、感染症対策用の場所が必要ではなくなったことに加え、C103からの会議棟改修工事で会議棟が使えなくなることを見越しての対応を、夏から冬の間は準備期間が短いこともあって前倒しで行いました。具体的には、更衣室を会議棟レセプションホールから南2ホールに変更し(東8ホールは従来通り更衣室として運用)、隣接する南1ホールを――東7ホールの一部・東8ホール外・屋上展示場に加えて――コスプレエリアとしました。なお、導線の都合もあり庭園はC102よりコスプレエリアから外しています。
 コロナ禍前のコミケットにおいて課題であった屋内でのコスプレエリアの設置ですが、東京ビッグサイトが16ホールになって余裕が生まれたことで実現し、昨夏・今夏のような不安定な天候でも、コスプレが楽しめるようになっています。今回の更衣室の設置場所の変更に伴い、一般参加者が南2ホールの更衣室へ開場前に入場し、前倒しで着替えをして、開場直後からコスプレができる「更衣室先行入場」(従来の名称はコスプレ先行入場)を復活させ、チケットの事前抽選販売を行いました。更衣室先行入場以外でも、今回から以前の様に一般入場後、誰でも更衣室でのコスプレ登録が可能となりました。従来のチケット抽選制では友達同士の参加が難しい等の声もありましたが、手軽にコスプレ参加できるようになったこともあってか、今回のコスプレ登録者数は前回比3割増。海外参加者のコスプレイヤーの参加も多く、国境を越えたコスプレ文化の広がりを改めて感じました。
 コスプレエリアでは、フォトスポットやフォトフロップスの企画を引き続き実施した他、「コスプレさいほうばこ」と銘打った新企画として、更衣室前にお直し用の簡易裁縫道具を設置、こちらも好評をいただきました。


 その他、C102からの変更事項としては、コロナ禍で休止していたケータリングの復活が挙げられます。東トラックヤード、東待機場、屋上展示場に各種のキッチンカーが並びました。今後少しずつ力を入れて、キッチンカーだけでなく、コロナ禍前のような様々な飲食サービスの出展を受け入れられればと思っていますので、ご期待ください。


 最後に、C100から行っている各種企画についてです。C102の詳細については、『準備会企画フォトレポート』をご参照ください。継続の企画や、前述のコスプレ関連企画に加えて、C100に好評をいただいたスタンプラリーを再び実施したほか、参加者の皆さんが日本や世界のどこから来たのかマッピングしてもらう「どこから来たMAP」、過去のマンガレポートのセレクションの展示、Instagramのストーリー内エフェクトを使ったARフォトフレーム等、様々な企画を行いました。
 また、元「週刊少年ジャンプ」編集長の鳥嶋和彦さんの著書『Dr.マシリト最強漫画術』が7月に発売され、この本にコミックマーケット初代代表の原田央男さん(霜月たかなかさん)が協力した縁もあり、「コミックマーケット100回突破記念」と銘打って、お二人と共同代表筆谷芳行の3人によるトークショー『同人誌 vs 商業誌 〜壇上に出会いを求めるのはまちがっているだろうか〜』が1日目の午後に開催され、300人近い聴衆でホールは満席となりました。「最強ジャンプ」とコミケットのジョイントという異色の企画でしたが、3人それぞれの切り口で同人誌と商業誌、アマチュアとプロについて、熱い語り合いが繰り広げられました。

 今回は東京ビッグサイト全館での開催でしたが、今冬以降、会場の大規模改修工事が順次始まり、会場の一部が使えない状況が2026年末のC109まで続きます。東京ビッグサイトは1996年の開業以来、初の大規模改修となるわけですが、全館を使う我々が開催回毎に様々に指摘した不具合等が解消されれば助かりますし、後からできた東7・8ホールや南展示棟の過ごしやすさを思うと、より良い形で改修を済ませたホールが戻ってきてくれることを切に期待しています。
 そして、改修がおわるまでの約3年間、コミケットが表現の可能性を拡げる「場」であり続けるために、またもや物理的な制約に挑戦していくことになります。参加者の皆さんにはご負担をかけることもあるかと思いますが、引き続きお付き合いとご協力のほど、よろしくお願いします。

(2023年11月8日本文公開)


[Since: Aug.23 2023] [Last Updated: Nov.8 2023]